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「介護プロフェッショナルのキャリア段位制度」秋スタート!

制度発足の背景とは?

平成22年6月、政府は「21世紀の日本復活に向けた21の国家戦略プロジェクト」を発表しました。
その中の1つとして、日本版NVQ(※)とも呼ばれる「キャリア段位制度の推進」が提唱され、第1次対象分野として、「食(6次産業化プロデューサーの育成)」「環境(カーボンマネージャーの育成)」と共に「介護(介護プロフェッショナルの育成)」が掲げられたことが、今回の制度発足の背景となっています。
介護従事者のやりがいを創出し、業界全体のレベルアップを図ると共に、介護分野へ参入する人材を増やすことをも目指す「キャリア段位制度」。今回は、本制度の概要について分かりやすく説明します。

※NVQ…イギリスで20年以上前から導入されている国民共通の職業能力評価制度のこと。

キャリア段位制度ってどんな制度?

大きな特徴としては、次の3つが挙げられます。

(1)介護サービスの種類に関わらず、横断的に全ての介護職の能力を評価する「共通のものさし」をつくることで、より効果的・効率的に人財育成を実現しようとしていること。

(2)エントリーレベルからトップ・プロレベルまで介護職員を7段階に分け、各々に段位認定を行うことで職員のやりがいやスキルアップへのモチベーションを創出しようとしていること。(中でもレベル4以上の人財は「介護プロフェッショナル」と定義されています。)

(3)「資格はあるが、実際どの程度の職務が遂行出来るのかが見えない」という現場課題を解決するため、「わかる(知識)」と「できる(実践的スキル)」の両面からの評価を実施すること。
※「わかる(知識)」については、既存の国家資格制度や研修制度との整合性を考慮する予定。
(例)
レベル1~2の「わかる(知識)」基準:ホームヘルパー2級研修終了相当以上
レベル3の「わかる(知識)」基準:介護福祉士養成課程修了および実務者研修終了
レベル4の「わかる(知識)」基準:介護福祉士であること(国家試験合格者)

誰が、どうやって評価するの?

「分かる(知識)」については既存の資格制度との連動で評価しますが、「出来る(実践的スキル)」については「アセッサー(仮称)」と呼ばれる人が仕事の様子や業務記録等を見て評価していきます。
このアセッサーは、レベル4以上で、必要な講習を修了し、「共通のものさし」にて評価できる力を身につけた者と定義されていますが、制度開始時点では講習修了者が居ないため、開始から3年間は、介護部門のリーダーとして一定の要件を満たせば、アセッサー講習を受講する要件を満たすこととする予定です。
また、外部評価機関を設置し、施設・事業所におけるアセッサーの評価の妥当性、信頼性をチェックすることとしています。

その意味でも、介護事業者においては、この「キャリア段位制度」に積極的に取り組む必要があるでしょう。大項目を基礎に、更に3段階にまで細分化した評価項目が複数設定される予定です。
(例)
基本介護技術の評価>食事介助(1段階:中項目)>食事介助ができる(2段階:小項目)
>利用者と同じ目線で介助することができたか?(3段階:チェック項目) etc

OJTツールとしても活用でき、在宅・施設共通で、客観的かつ簡素な評価基準を作成すべく、現在、国としては完成に向けた最終段階に入っています。

本制度に対する介護事業者としての心構え

今後、日本全体の労働力人口は減少するにも関わらず、介護の現場では、現状と比較して約2倍もの職員数が必要になると推測されています。その意味では、他業界以上に、介護業界の人財採用環境はますます厳しくなると言っても過言ではありません。また、働く側の立場から見ても、社員のスキルアップや処遇の改善に真剣に取り組もうとしている企業の方が、職場としてより魅力的に映ることは間違いありませんし、「この会社にいてもスキルアップが出来ないから、、」という理由で好ましい人財が流出してしまうことは、企業にとっては計り知れない損失につながりかねません。また、法人として、ランクの高い人財を育成・維持する仕組みを持つことが出来れば、「うちには介護プロフェッショナル(レベル4以上)が○○人(○○%)もいます」などと、自社のサービスの質をアピールする格好のツールにもなります。更に、国が推進しようとしている施策であることから、今後、サービス体制関連の加算(特定事業所加算やサービス提供体制強化加算etc)要件等に組み込まれる等、何らかの加点評価に加えられることも十分に考えられます。

以上のような観点から考えても、介護事業者は是非、「キャリア段位制度」に積極的に取り組む姿勢を持つべきだと言えるでしょう。具体的には秋以降、各事業所ごとに「アセッサー(評価者)」を設けることから制度の運用が始まると思われます。事業者はその要件や内容をしっかりと把握し、是非、積極的に自社内のアセッサー養成に取り組まれることをお勧めします。

(2012年8月13日更新)

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