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田村厚生労働大臣の発言に見る、予防給付事業者の心構え

社会保障制度改革の実行機関「医療・介護サービス提供体制改革推進本部」が設置

2013年10月15日、「持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律案」、いわゆる“プログラム法案”が閣議決定→国会へ提出されました。これは、8月5日に終了した社会保障制度改革国民会議の最終報告書に盛り込まれた改革案を、具体的に現実化していくことを目的とした法案になります。また、この法案提出の直前である10月11日、厚生労働省では社会保障制度改革の本格的な推進機関「医療・介護サービス提供体制改革推進本部」も設置されました。

これらを契機に、いよいよ、社会保障制度改革の実行の本番が開始されることになる訳ですが、とはいえ、ここから先は世の中に様々な切り口から「負担増」を迫ることになり、推進の前途はなかなか“多難”であることは間違いないようです。
例えば、医療・介護に関する改革着手の第一弾としては、まずは法律改正が必要なく、予算の見直しだけで実施できる“70~74歳の医療費窓口負担の引き上げ”が来春にも実行される予定だと言われています。

これまで特例措置として講じられていた1割負担をルール通りの「2割」に引き上げよう、ということですが、対象者からの反発は必至である中、懐柔策として、一挙に一律2割まで引き上げるのではなく、新たに70歳になる人から、以降、5年かけて段階的に上げていく、という方向で落ち着けていこう、という話も出ているようです(それでも消費増税と時期が被るため、実施時期をもっと遅らせるべきだ、との話も出ているようですが)。

選挙で落ちればただの人、と言われる政治家にとって、国民から不評を買う施策を実行する、ということは、自身の未来に大きな影響を及ぼしかねません。かと言って、日和見主義・風見鶏でいれば、社会保障制度の解決を先延ばしにするだけでなく、「国民の機嫌取りしかできない、信念がない人」というレッテルを貼られてしまう可能性もある。飛ぶ鳥を落とす勢いが持続している安倍政権ですが、経済対策含め、ここからが正に正念場だと言えるでしょう。

そんな中、本法案にも記載されている「予防給付事業(要支援者を対象とする介護給付事業)」について、田村厚生労働大臣が閣議後記者会見の中で言及しました。過去もテーマとして取り上げたことのある予防給付事業ですが、大臣からの直接発言が飛び出したことを受け、本ニュースレターではあらためてもう一度、予防給付事業に対する国の視点について確認をしておきたいと思います。

予防給付事業に対する田村大臣の発言と真意

2013年10月11日の午後、田村大臣は予防給付事業について、次のように発言されました(読みやすくするため、一部加工しています)

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予防給付を地域支援事業の方に移す。財源は同じ介護保険であるにしても事業を変える。この意義というのは、介護保険給付はどうしても全国一律の画一的なサービスになってしまうので、これは地域のいろんな努力といいますか、知恵が出せないようになってますよね。
それを地域支援事業という中において地域がいろんな知恵を出していただいて、例えばNPOをお使いになられるということもあろうと思いますし、もちろんそういうような手がないところは今までどおり事業者に頼むというところもあろうというふうに思います。
ただ、それぞれ地域にはそれぞれの知恵がありますので、なるべくなら地域の人材を、それはある意味でお元気な高齢者という方々が担い手になられる地域もあると思います。
それが新しい互助でありながら、一方で働き場所になるということもあろうと思います。
そうやって地域のコミュニティの中で介護を支えていただくことも含めて、いろんな知恵や工夫を出していただいて、それこそ“かゆいところに手が届く”ようなサービスみたいなものもお作りいただけることもあるでしょうし、そういうことをやる中で、地域の介護力というものを高めていただきながら、一方で医療費や介護費用の伸びを抑えていける、抑えていければ実は地域の財政も助かると、そういうことも踏まえてこれから議論をいただこうという状況だと御理解いただければと思います。他方、地域支援事業に要支援のサービスを移すことにより、だいたい2,000億円程度の給付抑制につながる、というような報道が一部出ているようですが、我が方としては、“2,000億”というように、キャップをはめようなどと考えているわけではありませんし、2,000億などというような数字を出すつもりもありません。もちろん伸びが抑えられれば国の財政も助かりますし、それは地方の財政にも同じことが言えますが、ただそれによって質が落ちてしまうとこれはこれで大きな問題ですので、そこは臨機応変に状況を見ながら勘案していかなきゃならんというふうに思いますし、そういう議論をこれから正に始めていただくという状況であるということです。

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“財源は変えないけど、創意工夫を大義に、コストダウンは実現してもらいたい”

いよいよ、我々介護事業者にとっても“大改革”に目を向けざるを得ない時期が来ましたね。

今まで“介護保険ありき(=国の9割負担ありき)”で事業を進めてきた我々ですが、これからはその概念自体をも変えていかなくてはならないかもしれません。

この方向性をプラスと捉えるかマイナスと捉えるか、その判断は全て、事業者に委ねられています。遅きに失することなく、自社の未来を明るく照らす方策を積極的に考えていきましょう。

我々としても更なる情報、もしくは新たなアイデアやヒントを皆様に提供出来るよう、より一層意識を強めてまいります。

(2013年10月29日更新)

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