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処遇改善加算の行方を認識しておきましょう

“平成27年度廃止”が継続へ

2012年の法改正時、「2014年度廃止」という前提で「交付金」から変更になった処遇改善加算。
次年度の改正に関する議論の中、「継続か廃止か」で議論が二分されていましたが、「本来は介護職員処遇改善加算を基本報酬に溶け込ませていくべきだと思うが、労使間の関係が十分に成熟したとは思えないため、加算を継続すべき」「介護職員処遇改善加算については、介護職員の処遇を後退させないという意味で、加算として維持してキャリアパスの構築などが可能となるように、より発展的に継続すべき」との意見のもと、「継続」がほぼ確定となりました。
今回のニュースレターでは、「継続」となった処遇改善加算に関するポイントを確認しておきたいと思います。

介護職員の処遇改善について、おさえるべきポイントとは?

処遇改善に関する論点は、大きく分けて下記の2点です。では、各々の内容を確認してまいりましょう。

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【その1】処遇改善加算の見直しについて
介護職員処遇改善加算について、処遇改善が後退しないよう現行の加算の仕組みは維持しつつ、更なる資質向上の取組、雇用管理の改善、労働環境の改善の取組を進める事業所を対象とし、更なる上乗せ評価を行うための区分を新設してはどうか。
※具体的なポイントは以下の通り。

(1)処遇改善加算では、加算取得のキャリアパス要件として、1.職位・職責・職務内容に応じた任用要件と賃金体系を整備すること、又は2.資質向上のための計画を策定して研修の実施又は研修の機会を確保すること、のいずれかを満たすことを求めるとともに、『定量的要件』として、賃金改善以外の処遇改善への取組の実施を求めているが、現行のキャリアパス要件1.と2.の両方の整備を求めることとしてはどうか。
(2)また、新設区分の定量的要件は、積極的に賃金改善以外の処遇改善への取組を実施していることを確認するため、近年に新たに実施した取組の記載を求めてはどうか。

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【その2】サービス提供体制強化加算の見直しについて
介護福祉士については、継続的に専門性を高めることを前提とし、介護職の中核的な役割を担う存在として位置付ける方向性が示されていることを踏まえ、介護福祉士の配置割合がより高い状況を評価するための区分を新設することで、介護福祉士の配置がより一層促進されるよう、サービス提供体制強化加算の要件について、見直しを行ってはどうか。

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【その1】の(1)については、下記のようなイメージ図で捉えれば、より理解が深まるかと思われます。
一番左側、即ち、キャリアパス要件1と2を同時に満たす法人には、新たな加算として、より大きな金額が付加される、ということです。
では、現行に比べてどれぐらい加算額がアップするのか?
あくまで憶測ですが、この図及び右3つの差率を見る限り、現行の加算の10%増し程度になるのでしょうか。(図を見る限り、4つの山の落差がほぼ均等に見えるのは私だけでしょうか?(笑))
他方、処遇改善加算の算出は、ご存知の通り、「国保連請求額に対するサービス毎の比率」で決まります。その上で、稼働率が現状維持のままで、仮に、昨今の新聞で報道されているような「2~3%のマイナス」が実行されるとしたら、処遇改善加算の総額は当然それらに比例して下がる事となります。

これらの状況を念頭に考えた場合、仮に処遇改善加算の要件区分を現状維持で据え置いたとすると、前年に比べて職員への処遇改善配分額を減らすか、或いは、差額分を事業者として補填するため、持ち出し額を増やすか、どちらかの二択を迫られる事業者が激増するのではないでしょうか。

そして、そのような事態を回避するためにも、サービス毎に設定されるであろう新設加算や、【その2】で示されたサービス提供体制強化加算(サービスによっては特定事業所加算)等に対し、今以上に積極的に取り組む事業者が増えてくるものと思われます。

早め早めに対応策を検討しておきましょう。

「職員の処遇改善」は、今後、事業を存続していくための絶対的な生命線です。
上記視点は、「国からもらえる加算額を減らされないようにするためにどうするか?」という側面の話であり、その意味では、「処遇改善の推進」というテーマで考えた場合、決して本質的な議論ではないかもしれません。しかし、現時点の情報から、そのような状況に陥ることについて想像出来ていない事業者も多々いらっしゃるようなので、念のためのアラームとして提示させていただきました。
同時に、今度は本質論として、“処遇改善”に対する企業の姿勢が、今後の職員採用(人財確保)に大きな影響を及ぼしてくることは想像に難くありません。これらの情報を踏まえ、“小手先”ではなく、“本質”を見据えつつ、どのような判断を行うのか。事業者として、今、このタイミングだからこそ、落ち着いてしっかりと考えておく必要があるのではないでしょうか。

これらの情報をもとに、今後の対応について、幹部の方々とじっくり話し合われることを是非、おすすめ致します。

(2012年12月26日更新)

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